田舎の母は土いじりが好きです
畑でも庭でも野菜でも花でもけっこう丹精込めて世話をし、結果、なかなか立派に育てます
好きこそものの上手なれ、という言葉に納得します
少し前まで庭続きの土地を借りて野菜を作っていましたが
さすがに畑仕事は体に応える様になってきて、畑は終了、
もっぱら庭の植木の世話や花作りに精を出しています
でも、庭のあちこちに顔を出しているような名もない花や
野に咲く花などに対しては、かなりそっけなくて驚きます
庭一面に咲いているムスカリなどは、惜しげもなく踏み潰していてびっくり!
というか、
庭一面に咲いているのでよけて歩くわけにもいかないというのが実態なのですが・・
いつのまにか咲いている可愛らしい小さな花などにはおよそ関心が無い・・・
私にとってみれば、どんな花だって愛おしい
むかし、ランドセルを背負っていたころ
学校の行き帰りや原っぱ遊びなどでお世話になった
ツクシやタンポポやオオイヌノフグリやキツネのエンドウやホトケノザや、
そんな雑草を我が庭に見つけた時は本当に嬉しくてしょうがありません・・・
その昔、マンション住まいの私たちの家に遊びに来た父に
孫にあたるわが娘は言ったものです
「じいじ、ちゃんのおうちのお庭には草は無いんだよ」
その時のじいじ、すなわち私の父の顔を忘れられません
ウチの庭はベランダなので草取りの必要はありません
私は小さい頃草取りのお手伝いが嫌いだったので
草取り不要のベランダ庭は結構気に入っていたのですが
この時ばかりは考えさせられてしまいました
昔の事ばかり思い出してしまう今日この頃です
じいじは丘の上のホームに寂しく静かに暮らしています
娘は、いくつかの恋に破れたりしながら、都会の真ん中で一人がんばって働いています
それぞれに
決して不幸ではないけれど
ふと寂しいことだな、と思ってしまいます・・・