アンドラ公国には数多くのロマネスク建築があります
ロマネスク建築・美術については専門の研究分野があるほどなので
私がにわかに説明することは不可能なのが哀しいのですが
でも観光案内風に言えば
ゴシック以前10~12世紀ごろの建築様式を
のちに「ロマネスク様式」と呼んだそうです
建築物ですから時代とともにそれらはより新しい建築に置き換えられていくのですが
たとえば時代の流れに『乗らないですんだ』地方、
人があまり出入りしない山奥とか
幸か不幸か経済活動があまり活発でなかったところは
『時代遅れの建物』が場合によってはいつまでも現役で
大事に大事に残されてきたわけです
まぁ、使われることがなくても
新しく作り変えたり壊されたりしなければ
荒れながらでも残るでしょう・・・
特にロマネスクの建物が多く残っていて
一部は世界遺産になっています
その中の
Church of Sant Miquel d’Engolasters
聖ミケル教会を見学しました
Engolasters湖という湖に通ずる道路沿いに立っています
尤も道路の方が後にできたことは間違いなくて
この教会の建物の壁のすぐわきを道路が通っていてちょっとびっくりです
ロマネスクの建築群には少なからず関心があり
前々から色々調べてはいました
その結果
私たちは、
ピレネーの渓谷にひっそりと、しかし孤高に聳える
その驚くほどに素朴な石組みのたたずまいを
古代に思いを馳せつつ
山々の深い緑を背景に
静かに堪能する
・・・・はずでした
がっ・・・
立っていらっしゃるのはこの教会を現在管理しておられるセバスチャン父氏
私たちのために衣装装着です
何か起こる予感・・・?
挨拶とともに私たちを待っていたのは
当時の村の集まりの日へのタイムスリップ
そして
ナッツやサラミ、ワイン、手作りのクッキーのおもてなし!
ワインはこうやって飲むんだよ!
誘われて喜んでこの方法で飲んだメンバー多し!!
セバスチャン氏の説明によると
当時、これらの建物は敬虔な祈りの場、
だけではなく
当時であればここは
喜ばしいことや哀しいことをみなで分け合う場であり
教育の場であり
何かあったら取り敢えずここに来たかもしれない
いわば情報発信のコミュニティーセンターであったと・・・
何ということかと、私はつくづく思いましたね・・・
それは、
素朴な石組みに古代のロマンを感じる前に
当時ここで生を営んでいた人々の存在を
しっかり認識せよ、と私自身が諭された瞬間でした
セバスチャン父子氏が身を以て教えてくださったことでした
ロマネスク建築を象徴する鐘楼
上の方が窓が大きいのは重量を軽減するため
後陣は半円形
屋根のすぐ下にはロンバルディア帯と呼ばれる装飾がみられます
内部の壁画
鉱物による彩色は
赤がヘマタイト、黒は石炭
自然のものを使うとなんと穏やかな色調なのだろうと
ため息の出る美しさです
素人の私が言うならちょっとコミカルというか、デフォルメっぽいというか
これぞロマネスクっていう感じの壁画
ただしこれはレプリカで
実際のものはバルセロナの美術館に保管してあるそうです
小さい小さい窓が壁画に溶け込んでいます
前にある石のテーブル、何をかいわんや・・・
正面から見て左側の壁面
バルセロナをガイドしてくださる鈴木さんと
セバスチャン息子さんが写っています
鐘楼全景
教会建物の後ろ側になります
サン・ミケル教会のカギ
教会を見学した後アンドラ・ラ・ベイヤに戻って皆で昼食をとった時
セバスチャン息子さんに鍵を持たせてもらいました
そして、夫に内緒の一枚・・・
セバスチャン父子様、本当にありがとうございました