8月、父の胃瘻カテーテルの交換がありました
かなり前からこの連絡を受けていて
私達家族は交換処置をしてくださる病院に行きました
父は、施設から、看護師さんの付き添いのもと、施設の車でやってきました
父と言えば・・・・
脳出血で倒れたのは去年の8月
命は助かったものの
右半身不随で自力では起き上ることができず、
合わせて以前の脳梗塞の箇所も災いして
言葉をシッカリ発音する機能を失っていました
首からして体はピクリとも動かない
声を発しても言葉にならない
さぞかし父は驚いていたことだと思います
耳と目はちゃんとしていましたから、いろいろ話しかけるのですが
当初は、自分の境遇が理解できず、というか
一度説明を受けても重い認知症のためにあっという間に忘れてしまって
いつも混乱の中にいて
手足をバタバタさせて、それが暴力といわれたり
言葉にならない言葉で何かを叫んだり、という猛者ぶりだったのです
ですが、病院を経てからこの施設に入り
一年経って
何というか
その当時の面影もなく
おとなしく
抵抗することも無く
例えば、
経管栄養中は、胃瘻箇所を触ったりすることを防ぐために
元気に動く方の手にミトンなどはめさせられていたのですが
それもひと月前あたりから解除になっていて
これは、父自身状況が理解できて、態度が大人になったのか(笑)
それとも、要するに、もう抗う気力も無くなったのか、
多分、後者だろうな・・・
という、私自身としてはなんだか素直には喜べない、穏やかな父です
で、処置を終えたということで、父は無事に処置室から帰ってきました
付添の看護師さんが、本当にちょっと感動した様子で
「〇〇さん(←父のことです)、処置が終えた時に、お医者さんにありがとうって言ってくれたでんすよ、なんだかこちらが感動しちゃって・・・」
と私達に仰る・・・・
びっくりしました
私は今回の処置に関しては、
最初からあきらめて父には何も説明していなかったけれど
父は、今回の事、施設のスタッフからはいろいろ説明されているんだ、
もしかしたら朧気なりとも、理解できていたのかもしれない
訳が分からない、聞き取りにくい父の言葉を、この看護師さんは
流れや文脈の中では聞き取ることもできるんだ
父の気持ちをちゃんと理解してもらえているんだ・・・
施設のスタッフのかた達、看護師さんたち、
それらの人々は毎日四六時中父とかかわりながら、
父をよく理解してくれているのかもしれない、と思いました
その証しに、父は彼らを信頼しているんだと思いました
看護師さんは、さらに
最近は、吸引の際に父がとても「協力的」で、「口を大きく開けてくれるんですよ」
というお話も、嬉しそうにしてくださいました
イロイロな施設、老人ホームがあります
私がお世話になっているわけではないので、
その実情を100%正しく把握できるとは思いません
でも、
多分、この看護師さんの目指す方向にある程度向いている施設なのではないか
と、思いました
というか、正直な話
たとえ一人でもこの看護師さんのような方がいてくださってよかった
と思いました
感謝、と頭の中でつぶやいてみると、涙が出てきました
父を施設に入れてから、私は
口からご飯も食べさせずに一人きりで放っておくことへの罪悪感に
押しつぶされそうな毎日ですから・・・
平穏なひとときが、少しでも、でも確実に父に訪れていると思うと・・・
遠くの親戚より近くの他人・・・・(*^_^*)
でもお父さん、私の事も、忘れないでね・・・